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事故物件のメリット・デメリットとは?何が危ない?やめておいた方がいい?


事故物件のメリット・デメリット

こんにちは!

「天空のおくりびとNET」です。


「事故物件」という言葉を耳にすると、多くの人は不安や抵抗感を覚えるでしょう。

過去に事件や事故で死者が出ていたり、心霊的な噂が絶えないなど、居住することに心理的な不安や抵抗感のある事故物件。


確かに、過去に不幸な出来事が起きた物件には、様々な懸念が付きまといます。


「事故物件に賃貸で住むとどんなデメリットがある?」

「割安な事故物件の購入を検討しているけどやめたほうがいい?」

など、事故物件を借りようと考えていたり、購入しようとしているものの、悩んでいる方もいるのではないでしょうか。


実際のところ、事故物件を一概に避けるべきとは限らず、実際にはメリットとデメリットの両面があります。


なぜ安いのか?なぜ「やめた方がいい」などと言われるのか?


今回はそんな、「事故物件」に関するお話をさせていただきます。



事故物件とは

■そもそも、事故物件とは?


物件内で自殺や他殺が発生した場合、その物件は事故物件となります。

これらは特に心理的瑕疵が大きいとされ、不動産取引において重要な告知事項となります。


「心理的瑕疵のある物件」とは、過去に人が死亡するなどの事件や事故があり、心理的抵抗を感じてしまう事項(心理的瑕疵)がある物件のことですが、特に法律で定義されているわけではなく、あくまで個人の判断に任せられています。


不動産業界においては、自殺や他殺は重要事項として扱われます。

宅地建物取引業法では、これらの事実は「重要事項説明」の対象となっており、不動産業者には買主や借主に対して適切に情報を開示する義務があります。

ただし、告知義務の期間については明確な基準がなく、ケースバイケースで判断されることが多いのが現状です。



事故物件のメリット

■事故物件を選ぶメリット


「事故物件を購入してもデメリットしかない」と思われがちですが、メリットも少なくありません。


事件や自殺、孤独死が起きた住居は住むのを回避する人が多いですが、 そのため販売価格や賃貸料が安く、最近では積極的に活用する人が増えているというデータもあります。



事故物件を選ぶメリット① 価格・賃料が安い


事故物件における最大のメリットは、賃貸で借りる場合も購入する場合も相場よりも金額が安いことです。


事故物件は一般的に市場価値が下がるため、同等の物件と比較して賃料や販売価格が安くなります。

事故物件の価格低下の程度は、事故の内容や経過時間によって大きく異なりますが、

例えば、自殺や他殺のような重大な事故の場合、市場価格から50%以上も下がることもあります。



◆賃貸における事故物件相場

事故物件相場


◆購入における事故物件相場

事故物件相場


自然死であれば、賃貸、購入ともに値引き相場は、そこまで高くはありませんが、他殺であれば、値引き幅は非常に大きくなります。


価格が下がる理由としては、心理的嫌悪感や将来の転売難易度、風評被害などが挙げられます。

多くの人にとって、不幸な出来事が起きた場所での生活には抵抗感があり、それが需要の減少につながります。

また、将来的に物件を売却する際の困難さを見越して、初めから価格が低く設定されることもあります。

殺人事件などで亡くなった事故物件の場合、アパートやマンション名などが報道されるため、重度の心理的瑕疵と判断されて周辺相場の半額まで値下げされているケースもあります。


この価格の低さは、特定の購入者や賃借人にとっては大きな魅力となります。


例えば、都心の高級エリアに住めることを夢見ていたが予算的に難しかった人や、広い間取りを求めていたがコストが合わなかった人などにとって、

事故物件は良い選択肢となる可能性があります。

特に、物件の立地や設備を重視し、過去の出来事にはあまりこだわらない人にとっては、非常に魅力的な物件となるでしょう。



事故物件を選ぶメリット② 内装が綺麗になっているケースが多い


事故物件は、リフォームがされている場合が多いこともメリットといえます。


このリフォームは単なる表面的な改装にとどまらず、物件全体の質を向上させる機会となることも少なくありません。


例えば、壁紙の張り替えや床材の交換だけでなく、水回りの設備更新、照明器具の交換、さらには間取りの変更まで行われることがあります。

特に、事故の内容によっては、床下や壁内の徹底的な清掃と修繕が必要となるため、建物の構造的な部分まで手が加えられることもあります。


事故の痕跡を徹底的に消すために、大幅なリフォームを行っているため、入居希望者や購入希望者にとってはメリットになります。



事故物件を選ぶメリット③ 投資価値が高いこともある



事故物件のメリットとして、投資用物件として考えた場合に魅力があることも挙げられます。


投資目的として物件をみると、事故物件は割安な金額で購入できるため、利回りが高くなるでしょう。


都市部で交通利便性が高い立地であれば、もともとの賃貸需要が高いため、多少家賃を下げれば、入居希望者が現れる可能性は高いといえます。

事故物件をあまり気にしない層も一定数いるため、人口が多い都市部であれば、入居が決まりやすくなるでしょう。


賃貸経営を成功させたい場合、できる限り費用を掛けずに賃貸物件を入手したい貸主が多いです。


リフォームやリノベーションなどで事故物件の雰囲気を払拭できれば、周辺相場と変わらない家賃での貸出が可能になるケースも多くあります。


安く購入した事故物件を賃貸物件にして入居者を集められれば、高い利回りが期待できます。

ただし、貸し出すときは事故物件であることを告知する義務があると忘れないようにしましょう。



事故物件

■事故物件を選ぶデメリット


つづいて、事故物件を購入するデメリットを解説していきます。



事故物件を選ぶデメリット① 精神的な負担


事故物件を購入する1つ目のデメリットは、精神的なストレスが皆無とはいえないことです。

先述したとおり、事故物件とは過去に事件や事故などがあった物件のことです。


過去の出来事を知ることで、居住中に精神的なストレスを感じる可能性があります。

特に心霊現象を気にする方は、不安を感じやすいかもしれません。


たとえば、事故物件とわかっていて購入したり、借りて住んだりした場合、近隣の人に事故の詳細な内容を聞いて後悔するケースや、実際に住んでみて、些細な物音が気になり、ストレスになるケースがあります。


中には霊的なものは全く気にしないという人もいますが、一般的には気になる人が多いため、事故物件を借りて住む場合は、ある程度のストレスは覚悟しておく必要があるでしょう。


心霊現象を信じる方にとっては、このストレスがさらに増大する可能性があります。

幽霊や霊的な存在を実際に感じ取ってしまうのではないかという恐怖や、何か異常な現象が起きるのではないかという不安が常につきまとう可能性があります。

これらの不安は、実際に何か起こらなくても、日常生活に大きな影響を与える可能性があります。


売却するにも時間や労力がかかるので、事故物件の購入は精神的ストレスを考慮して慎重に検討しましょう。



事故物件を選ぶデメリット② 事故の痕跡が残っている可能性がある


事故物件は事故の痕跡が残っている可能性があることもデメリットの1つです。


一般的に事故物件では、特殊清掃やリフォームをすることが多いため、事故の痕跡は消えている可能性が高いでしょう。


しかしながら、最新の清掃技術や専門的な処理方法を用いても、建材の性質や事故の状況によっては、完璧な復旧が困難な場合もあります。


木造建築の場合、木材が液体を吸収しやすい性質を持つため、染みこんだ体液などが完全に除去できないことがあります。

また、コンクリート造りの建物でも、多孔質な性質により、匂いの元となる物質が深く浸透してしまうことがあり、

例え壁紙や床材を張り替えても、下地に染み込んだ物質が時間の経過とともに表面に現れてくる可能性もあります。


とくに臭いが完全に消えていない場合は、体調を崩してしまうこともあり、精神的にストレスがかかってしまうでしょう。



事故物件を選ぶデメリット③ 家賃が上がることがある


事故物件は契約を更新するときに家賃が上がる可能性があることもデメリットといえます。


事故物件の賃貸契約では、初回の契約時に通常よりも低い家賃が設定されることが多くあります。

しかし、この初期の低家賃は必ずしも継続されるとは限りません。


事故物件における国土交通省のガイドラインでは、賃貸においての告知義務が生じる期間は、事故発生からおおむね3年です。


入居する際に事故発生から3年が経過していなければ、相場よりも安い家賃になっていることが多いですが、入居後に契約を更新するときに3年を経過している場合は告知義務がないため、オーナーが家賃を相場に戻す可能性があるのです。

時間の経過とともに事故物件としての印象が薄れ、市場での評価が回復する可能性もあります。


家賃上昇の程度は様々で、わずかな上昇で済む場合もあれば、初期家賃から20%以上の上昇を求められるケースもあります。

極端な場合、事故物件としての割引が完全になくなり、周辺相場と同等の家賃を要求されることもあるでしょう。



事故物件を選ぶデメリット④ 売却の際に売りにくい


将来的に売却を考えている場合、事故物件という事実が障害となり、売却が困難になる可能性があります。


購入した事故物件を手放さないといけない状況でも、事故物件に関する告知義務があるため、購入希望者に心理的瑕疵を告知しなくてはいけません。


自分は購入時に問題ないと判断した心理的瑕疵でも、他人からすれば購入を躊躇するほど重大な瑕疵と捉えられてしまう場合もあります。


事故物件の売却にかかる時間は、通常の物件の不動産売却と比べて長期化する傾向があります。

買主が見つかりにくいだけでなく、購入を検討する人々も慎重な姿勢を取るため、契約成立までに時間がかかることが多いです。

この長期化は、所有者にとって経済的・精神的な負担となる可能性があります。



事故物件のリスク

■事故物件を「貸す」「売る」リスク


事故物件は、利回りもよく不動産投資としては人気となっています。


そのため、事故物件を購入した後、賃貸物件として利用したい方も多いのではないでしょうか。

しかしながら、事故物件には「貸す」「売る」場合にも複数のリスクやデメリットがつきまといます。



事故物件を貸す・売るリスク① 相場より安くしなければならない


事故物件は市場価値が下がるため、相場より低い価格や家賃を設定しないと借主や購入者が見つからない可能性が高くなります。

心理的瑕疵がある物件は、一般的に敬遠される傾向が強いため、賃料や価格を相場より安くしなければ、入居希望者や購入希望者が現れないのです。


一般的に、事故物件の価格や家賃は、同等の通常物件と比較して20%から50%程度低く設定される傾向にあります。

この低下率は事故の内容や経過時間、物件の立地条件などによって大きく変動します。

例えば、自然死のような比較的軽微な事故の場合は10%程度の低下で済むこともありますが、

殺人事件のような重大な事故の場合は50%以上の大幅な低下を余儀なくされることもあります。


また、価格や家賃の低下は、物件の維持管理にも影響を与える可能性があります。

収入が減少することで、必要な修繕やリフォームに十分な資金を充てられなくなり、結果として物件の質が低下するという悪循環に陥る危険性があります。



事故物件を貸す・売るリスク② 避けられやすい


事故物件を「売却・貸し出す」場合のデメリットとして、告知義務があるため避けられやすいことが挙げられます。

とくにニュースなどで報道された事件が起こった物件は、知っている人も多いため、避けられやすくなることはデメリットといえるでしょう。


多くの人が事故物件を避ける傾向にあるため、物件の回転率が低くなる可能性があります。

結果として、長期間空室や未売却の状態が続くリスクとなります。


また、事故物件は不動産投資の観点からもリスクが高いと判断されることがあります。

将来の転売や賃貸を考慮すると、事故物件は流動性が低く、資産価値の上昇も期待しにくいため、

投資家や将来の売却を考慮する購入者にとっては魅力的な選択肢とならないことが多いです。


加えて、事故物件は金融機関からの融資を受けにくい場合があります。

一部の金融機関は、事故物件への融資に消極的であったり、より厳しい条件を課したりすることがあります。

これは、事故物件の将来的な価値変動リスクを考慮してのことです。



事故物件を貸す・売るリスク③ リフォームが必要になる


事故物件はリフォームが必要になることもデメリットです。


事故物件は床材や壁紙などがダメージを受けていることが多いため、リフォームによって事故の痕跡を消す必要があります。


特に、特殊清掃が必要となるような事故の場合、専門業者による徹底的な清掃と修繕が求められます。

床や壁の張り替え、天井の塗り直し、設備の交換など、広範囲にわたる改修工事が必要になることも少なくありません。


また、孤独死した物件で長期間遺体が放置されている場合などは、腐敗臭やシミが特殊清掃ではとれないこともあるでしょう。


リフォームが必要な範囲にもよりますが、基本的には事故があった部屋のフローリングや壁紙を替える必要があるため、数十万円の費用はかかります。



事故物件を貸す・売るリスク④ 契約不適合責任を問われることがある


事故物件であることを告知しないと契約不適合責任を問われる可能性があります。


契約不適合責任とは、売買契約書に記載されていない瑕疵が発覚した場合に負う責任のことで、事故物件の場合は心理的瑕疵が該当します。


契約不適合責任

告知義務を守らないと、様々なリスクが生じます。

後から事実が発覚した場合、契約が取り消されたり、損害賠償を請求される可能性があるのです。

不動産業者の場合は、業法違反で処分を受けることもあるでしょう。


事故物件であることを告知すると売れづらくなりますが、告知義務違反に該当すると契約不適合責任を問われるため、大きなデメリットといえます。



事故物件

◆最後に・・・


今回は、「事故物件のメリット・デメリットとは?」というテーマでお話をしました。


事故物件は割安で住めたり、安く購入できたりといったメリットもありますが、「購入・借りる」場合でも「売却・貸し出す」場合でもデメリットが多く存在します。


事故物件は日が経つにつれて、事件や事故の記憶が薄れていくため、価値も戻る傾向にあります。

そのため、事故物件を安く購入したい方は、事故物件となってからの日が浅く、一度も購入されていないものを購入するのがベストでしょう。


また、事故物件の所有者の方々には、法的義務の遵守や適切な価格設定など、複雑な課題に直面することを念頭に置き、

専門知識を持つ不動産会社との連携も不可欠と言えます。


様々なメリット・デメリットをよく踏まえ、事故物件の購入・売却・賃貸を進めていきましょう。



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